この記事ではAWSが主催する国際カンファレンスre:Inventの招待プログラムに日本人唯一&初採択されたのでプログラム内容を紹介していきます。
re:Inventってなに?
ざっくり書くとApple社が例年9月に新iPhoneをお披露目するように、AWS社の新たなサービスや機能を発表する公式イベントです。それだけに留まらず学習型カンファレンスとして機能しておりわずか1週間の期間中に2000を超えるセッションが行われ、参加者同士が交流しながらAWSについて詳しく学習できる場でもあります。
All Builders Welcome Grantについて
今回採択されたAll Builders Welcome Grant(以降ABWG)は主に以下3種類の条件に当てはまる人を対象にしています。これ以外にも細かい規定があるのでご自身で公式サイトで確認してください。(今は公式サイトが切られていますが、おそらく8月には公開されるはず)
- 年齢: 21歳以上
- 経験: Tech業界で5年以下
- 属性: IT分野の何らかのマイノリティ
採択されると以下の支援を受けられます。
- 往復航空券
- カンファレンスのフルパス
- 5泊分の宿泊費
また期間中は以下の限定イベントなど各種サポートがあります。
- イベント
- ABWG Kick Off
- ABWG Mentoring Luncheon
- ABWG Closing Reception
- サポート
期間中のレポ
ここからは採択者がどんな機会を得たのかを書き連ねていきます。
ABWG Kick Off
セッションが始まる前日から採択者のre:Inventは始まります。ここで初めてメンバー全員の顔合わせを行い翌日から始まるカンファレンスに備えます。
採択者は全員Treasure Islandに宿泊したのでホテルから専用バスに乗り込みArea15に向かいます。会場ではチームラボのような施設の一部を貸し切り軽食や飲み物も提供され各自自由にネットワーキングを行います。
大体はメンター主導のもと事前にロビーで集合してから会場に向かい、まずは同じメンターグループでの交流がメインになっていました。途中Grant teamからのあいさつが入りますが決してお堅いものではなく、とてもフレンドリーな雰囲気で迎え入れてくれます。
ネットワーキング部屋以外にも4つのアトラクションに無料で体験できるチケットを受け取ります。帰りのシャトルバスの時間まで仲良くなったgrantee*1同士で巡ったりと各々自由に楽しめます。
ABWG Mentoring Luncheon
当日ランダムで割り当てられるメンター*2、メンティー*3と一緒にコース料理を食べながらお話をすることができます。各席にはメンターが1人おり、空いている席にメンティーが自由に座っていく形式です。
内容は完全にグループに委ねられており、私のグループでは開発プロセスの話、開発者とビジネスチームのコミュニケーションの取り方についてなど、各々がどんどん質問して相談していく形でした。
誰かが質問している間も隣に座ったメンティー同士で会話をしたりと落ち着いて交流できるまたとない機会です。ドレスコードの記載はありませんがEncoreのベートーヴェンの間という、とてもおしゃれな会場で行われたのでSWAGのパーカーで行くのはやめた方が無難です。
ABWG Closing Reception
rePlayが始まる数時間前に開催され、全員で記念写真を撮ったりと最後の交流を楽しみます。会場ではバーカウンターでドリンクを注文でき、スタッフが適時軽食をサーブしてくれるので交流に集中できます。
当日はスペシャルゲストとしてサプライズでCEO Adamが登場し激励のスピーチを行うなどgranteeはrePlay前から最高潮に盛り上がっていきます!
最後は自然とstorytelling*4が始まり、grantee同士のつながりを一層強く感じさせる瞬間が多く生まれます。
Welcome Kit
カンファレンス参加者は全員登録を済ませた後にSWAG(パーカー&ボトル)を受け取ります。granteeは上記に加えABWGへの登録も行う必要があります。Venetianに用意される専用ラウンジで行われ、完了すると一連の限定グッズがもらえます!
期間中このリュックサックとピンバッチをつけた人は一目でgranteeと判断できます。会場で人がごった返している時にもお互い見つけやすいので何かと便利です。またこのリュックサックはEXPOでゲットしたと勘違いされ道ゆく人に声をかけられたり、機能豊富で質が良いので羨望のまなざしを向けられるレアアイテムでもあります。
Keynote
期間中開催されるKeynoteにはPriority Seat*5が用意されており、granteeはこの席を利用することができます。
会場の座席は大まかに前後2列に分かれており、1列目は基本的にPriority Seatで確保されています。待機列も一般者と分かれているので最前列を目指さないのであれば、あまり早く行かなくてもスムーズに会場に入れます。
これらはネームバッチに雲のシールが貼られていることが目印です。最初の受付でもらえるので無くさないようにすぐに貼りましょう。
※IDに紐づけているわけではないのでシールが貼られていなければ一般の待機列に誘導されます
ABWGラウンジ
granteeしか利用できない専用ラウンジがあり以下のサービスを受けることができます。
- 限定セッションの開催
- プロのカメラパーソンによる撮影会
- 軽食、ドリンクの提供
- 電源、テーブル、ソファを完備
AWSの資格を持っていれば利用できる認定者ラウンジは常に人がいっぱいと聞きますが、こちらはそんなことはなくセッション開催時間でも立ち見者は5人くらいなので基本はこちらの利用をおすすめします。
会場内はgranteeしかいないという安心感もあり、自然と近くにいる人と会話が生まれる場所です。(あまり作業だけに使う人を見かけなかった)基本はフルーツやスナックといった軽食が用意されているので、食事を取りそびれた時にも重宝します。
Slackチャンネル
その年の参加者だけのSlackチャンネルに招待され、出発前から交流することができます。任意参加ですが事前に同メンターグループでのオンラインミーティングが組まれ、渡航に関する疑問や期間中のスケジュールの相談など色々と乗ってくれます。
ただし日本からは17時間の時差があるので一晩寝ている間に未読メッセージ20件越えが日常茶飯事です。中には重要な連絡が流れていることもあるので必死に英語を読んでキャッチアップするしかないです。
それでも参加者同士の交流は活発で、空港からホテルまでUberに一緒に乗る人を募ったり、期間中一緒に朝/昼ごはん食べる人を集めたりと気軽に友人を作れるコミュニティでもあります。
その他金銭的補助
非常に細かい配慮として、空港からホテルまでの移動費にUber代金($75)と、デビットカード($250)が配布されます。究極的には一切のお金を使わずカンファレンスを楽しめるように準備されています。
ラスベガスはとにかく移動に時間がかかりストリップ通り以外は治安も悪いため、特に夜観光をするとなればUberは必須です。アプリ上で割り勘することもできるので日本でアプリをインストールしチャージまでしておきましょう。
デビットカードの使い道は特に制限がないので個人の自由です。私はありがたく現地の食糧調達やお土産代に使いました。
※オンライン決済では使用できないため日本在住の方は現地で使い切る必要があります
最後に
ABWGはまだ日本ではあまり知られていないですが、世界中から次世代を創っていく参加者が集まる最高のプログラムです!
参加してみてこれだけは伝えたいポイントがいくつかあります。
- 学生/社会人問わず参加できる
- 体感8割社会人、2割学生(Master, PhD含む)という感じです。学部生の参加者を見かけなかったですがちゃんと採択されたので選考に影響はないはず!
- 年齢は気にしない
- キャリアチェンジをしてきた方も多く参加していました。条件で求められているのはあくまでもTech業界での経験が5年以内かどうか。若い人しかいないかもという心配は無用です。誰も年齢について尋ねません
- 英語力はあった方がいい
- grantee同士のネットワーキング場面が非常に多いので日常会話ができる程度には身についている方が良いです。ただしセッション等は翻訳アプリを活用するなど対策できるのであくまでもコミュニケーションが取れれば大丈夫です
- 条件に書かれている以上の詮索をしない
ざっと紹介してきましたが来年応募してみようかな...という方向けにより詳しい内容も書く予定なので、興味を持った方はそちらも参考にしてみてください!